2019年7月19日に公開された新海誠監督作「天気の子」を見てきました!
前作の「君の名は。」を地上波で見て面白い!と思ったので、最新作も見たいと思い、公開を楽しみにしていました。
この映画のネタバレ&感想を書いていきますので、ネタバレしたくない方はバックしてくださいね。
【天気の子】の登場人物
森嶋帆高/もりしま ほだか(CV.醍醐虎汰朗)
この作品の主人公。16歳で島暮らしだったが家出して東京へ来た少年。

天野陽菜/あまの ひな(CV.森七菜)
祈るだけで天気を晴れにすることができる力をもつ少女。弟の凪と東京で二人暮らし。

須賀圭介(CV.小栗旬)
東京でライターをしている。零細企業の社長で、姪の夏美と一緒に雑誌の仕事を行っている。

夏美(CV.本田翼)
須賀圭介の姪。大学4年生で就活生。

天野凪(CV.吉柳咲良)
陽菜の弟。小学生だけれど妙に大人びている。クラスの女の子からモテモテ。

安井刑事(CV.平泉成)
おじいちゃん刑事。穏やかな性格でベテラン故に冷静に判断して行動する。

高井刑事(CV.梶裕貴)
リーゼントがトレードマークの若い刑事。劇中で高井刑事が出るとリーゼントが気になって仕方がない。リーゼントにしか目がいかなくなる。血の気が多い。

映画の感想&ネタバレ
島暮らしの少年、帆高
主人公の森嶋帆高は島からフェリーで東京へ家出するシーンから始まります。フェリーに乗っている時に突然の大雨に会い、フェリーが揺らいで帆高が足が滑って転んで海へ落ちそうになるところを、東京でライターをしている須賀圭介に助けられます。
ちなみに、なぜ帆高が家出をしたのかは映画ではっきりとわかっていません。ただ、序盤のフェリーに乗って家出するシーンでは、帆高の顔に沢山の絆創膏が貼られていました。
もしかしたら、家族と喧嘩してしまったのか…?
東京に着くと、須賀は帆高に自信の名刺を渡し、「何か困ったことがあったら電話して」と言いました。
東京に着いたはいいものの、ネットカフェに寝泊まりしてバイトを探しても未成年のため門前払いされ、結局手持ち金も底をつき、ネットカフェにも泊まれずに新宿の街を当てもなく歩きます。
そこである怪しいお店の入口ので蹲っていると、ガラの悪い金髪の若いチンピラのキムラという男に「邪魔だ!」と蹴られた拍子に側にあったゴミ箱にぶつかってしまい、ゴミ箱の中身が散乱。隠すように捨てられていた拳銃を拾います。この時、帆高は偽物だろうと思って警察に届けることなく自身のカバンに入れていました。
ファーストフード店で出会った少女
ある日、やはりアルバイトが見つからずに途方に暮れていた帆高はファーストフード店でドリンクを飲みながら、空腹で鳴るお腹の音を聞きながら、これからどうしようか悩みます。
そこで帆高はヒロインの天野陽菜と出会います。彼女は、ファーストフード店の店員としてアルバイトしており、突然帆高にハンバーガーを渡したのです。
「君、三日連続それが夕食じゃん。これは内緒だからね!」
どうやら、三日続けてドリンクだけを頼んで帰る帆高を可哀そうに思ったのか、他の店員には秘密で陽菜がこっそりとハンバーガーをあげたのでしょうね。なんて優しい子だ…!!
須賀の下で働くことになった帆高
最終手段で帆高はフェリーで出会った須賀圭介に電話をし、会社へ訪れる。須賀は住み込み&食事付きの条件でライターとして働くよう提案したところ、帆高はその条件に惹かれ、須賀と姪の夏美の3人で会社で協力しながらライターの仕事や家事などの雑務を日々こなしていきました。
須賀も夏美もとても良い人のようで、まるで帆高のことを弟のように可愛がっていました。

帆高って、一見不器用そうに見えるけど実はバリバリ仕事ができそう…!
泊まる場所も食べるものも無く、途方に暮れていた帆高にとって、これはとてもありがたいですよね!
でも、なんとライターの仕事&炊事洗濯をこなしてて給料は¥3000なんですって…。酷いブラックですよね!?
少女の身に危険が…?
一方、巷では絶対に晴れにする「100%晴れ女」が居るという都市伝説を聞き、帆高はその「100%晴れ女」のことを記事にすべく、晴れ女が何処に居るかを聞き込み調査をして探し続けていました。
聞き込みをしてもそんなすぐに見つかるわけは無く、帆高は雨の降る都内を歩いていたところ、なんと、先日ファーストフード店で出会った少女、陽菜がチンピラのキムラに怪しげなアルバイトのスカウトをされているところを見つけ、危険を感じてダッシュで陽菜を引っ張って連れて逃げます。
キムラに追い付かれ、それでも陽菜を逃がそうとする帆高を殴り、道路に倒れた帆高へ「あの時蹴ったことへの恨みか?」と問います。それでも諦めようとしない帆高に腹が立ったキムラは帆高に馬乗りになり暴行を加えました。
帆高はこれでは彼女を救えないと思ったのか、バッグに所持していた銃をキムラに突きつけます。どうせおもちゃだろう、と馬鹿にして笑ったキムラに、帆高は手が震えながらも引き金を引いてしまいました…。
すると、なんとこの銃が本物の銃でキムラの顔の横をスレスレに通っていったのです。
唖然とするキムラを残し、帆高は再度、陽菜の腕を引いて逃げていきました。
帆高が銃をキムラに向けているところを路上の監視カメラに映っていたことを知らずに。
なんとか辿り着いた場所は、新宿の廃ビル。
銃を捨てた帆高は、ここで真実を知ります。
なんでも、陽菜はファーストフード店をクビになってしまったため、次のバイトを探そうとしてキャバクラで働こうと思ったのだそう。なのでキムラが強引にバイトに誘ったのではなく、合意の上だったそうです。
帆高が探していた都市伝説の「100%晴れ女」の正体
廃ビルの屋上へ上った二人は、大雨が降る空を眺めます。相変わらず晴れることの無い東京の空を見て、帆高はどう思ったのでしょうか。
「君、家出少年でしょ?」
陽菜は帆高を家出少年だということを見抜き、帆高を屋上へ誘います。
「ね、せっかく東京に来たのに、ずっと雨だね。」
陽菜は空を見上げるのを止め、帆高を見ながら
「ねぇ、今から晴れるよ」

「それって、どういう──…」
陽菜が両手を組み合わせた瞬間、がみるみるうちに東京を覆う分厚い雲が引いていきました。帆高の眼前には、徐々に青空が見えて雨が止み、すっかり晴天に包まれて夏のじりじりとした日差しが照りつける東京の街が。
あまりに非現実的なことに驚きを隠せない帆高。まさか隣に居る少女が噂の「100%晴れ女」本人だったとは。
二人は晴れた空の下、軽く自己紹介をし、陽菜は自分が18歳だと告げる。陽菜は青空に手をかざしながら空を見上げ、
「これからよろしくね、帆高」
と、帆高に手を差し伸べます。
これから二人には厳しい試練が降りかかるとも知らずに、笑顔で硬く握手をしました。
「お天気ビジネス」を始めよう
帆高はアルバイトをクビにされてお金に困っている様子の陽菜を見て、あるアイディアを思いつきます。それは、陽菜の必ず晴れにする能力を活かし、絶対に晴れてほしい日を晴れにするビジネスをしようと提案しました。帆高、陽菜、陽菜の弟の凪の三人で。「お天気お届けします!」というサイトを立ち上げたところ、早速1件の依頼が入りました。
最初のお仕事は、都内のフリーマーケット。この日も相変わらず土砂降りの雨でした。
陽菜はうんうんと両手を合わせながら祈っても中々晴れない様子を見た依頼者は、「帰ってもらおうか」と側にいたフリマのスタッフに指示をしたら…
なんと、途端に先ほどまで土砂降りで曇天だった空が瞬く間に晴れに。

それを見た依頼者が驚き、感謝とともに本当に晴れるとは思わなかったと笑顔で話します。
報酬は1件で¥3000ほどでしたが、依頼者はなんと¥20,000も陽菜に渡しました。
こうして一発目のお天気ビジネスは成功し、帆高たちは大喜び!雨続きの東京を晴れにすることで笑顔になる人たちを見て、陽菜はこの仕事に大変やりがいを感じていました。
「私、好きだな、この仕事。晴れ女の仕事。私ね、自分の役割みたいなものがやっとわかった。」
徐々に依頼は増え続け、ネットで話題にもなってきたある日、大手テレビ局から神宮外苑花火大会の日を晴れにしてほしいと依頼がありました。
陽菜は可愛い浴衣と紫色の髪飾りを付けたアップヘア姿で祈り、またしても空を晴れにしました。

この時の祈りの姿が全国放送に映り、依頼は爆発的に殺到しました。あまりにも依頼数が多いのと、陽菜の連日の仕事で疲れている様子を見て、帆高はあと2件の依頼を受けたらいったん休業しようと決めました。
なんと!前作のあの人が登場してるじゃないか!!
最後の2件の依頼のうち、1件は立花冨美(たちばな ふみ)という老婦人からの依頼でした。なんでも、冨美の旦那の初盆を迎える日を晴れにしてほしいとの依頼でした。
帆高、陽菜、凪の三人は冨美の家(日本家屋でした)へ行き、縁側に座って庭で立っている陽菜の様子を優し気な目で見ている冨美が、「まさか本当に晴れるとはねぇ」と、感心して言いました。そう、この日も陽菜は確実に晴れにしたのです。
ところで、「立花」という名字を見てなんとなく察しがつきましたでしょうか。
ここで、部屋の奥から一人の青年の後ろ姿が。
「おばあちゃんの友達?」
なんと、「君の名は。」で出てきた立花瀧が登場!この時は21歳だそうです。相変わらず爽やかな青年やな~~!!にしても、神木隆之介さんの声はすごく穏やかで優しい声ですよね。
立花冨美は、瀧の祖母です。
瀧は、庭で陽菜と凪がなにやら話しているところを尻目に、縁側に座っている帆高の隣に腰かけ、質問します。
「君たち何歳?」
「僕は16歳です。彼女は2個上で…えっと、もうすぐで誕生日なので18歳です。」
「誕生日!それはプレゼントをあげなきゃだね。」
そう、陽菜の誕生日は8/22。もうすぐ迫っています。
帆高との会話が終わった後、瀧はスイカを切って皆で食べようと持ってきました。ここで、立花家でのシーンは終わりです。
結局良いプレゼントが思い浮かばず悩んでいると、凪が帆高の気持ちを察したようです。
「誕生日プレゼント、姉ちゃんに渡すんでしょ?」
凪は、陽菜に指輪をプレゼントすることを提案しました。帆高は
「指輪って…重くない?」
「これは二人だけの秘密な!」と、凪は帆高と拳と拳をぶつけて男同士の熱い絆を結びます。
ここでもあのキャラクターが登場!
帆高は新宿ルミネエストのジュエリーショップへ行き、陽菜への誕生日プレゼントで指輪を購入。
赤系で小さめの四角いショッパーに入ったジュエリーを手にし、帆高は不安いっぱいの表情でジュエリーショップ店員に尋ねます。
「あの、これ…貰ったら嬉しいですか!?」
「私だったらすごく嬉しいと思う。君、ここで3時間も迷ってたもの。きっと大丈夫、喜んでくれますよ。」
このジュエリーショップ店員、「君の名は。」のヒロイン、宮水三葉だったんです!!後頭部が写った時に、三葉がいつも髪に付けていた赤いリボンが見えた時点でうわ~!!三葉だ~!!ってなりました!
休業前最後の依頼へ。陽菜は自分の運命を知ることになる。
8/21の都内にて。その日もいつも通り三人で出動。お天気ビジネスの最後の依頼は、須賀からでした。
なんでも、須賀の娘のため、週末に公園で遊びたいから晴れにしてほしいとのことでした。須賀の娘の萌花は喘息持ち。普段は祖母と暮らしていて、中々合わせてもらえないんだそう。
帆高は
と、動揺を隠せない様子!(笑)
さらに、夏美のことをずっと須賀の愛人だと思っていた帆高はそれを須賀に耳打ちして言うと、須賀と夏美は一緒に笑いを堪えてました^^;
すると、凪と一緒に芝生で遊んでいた須賀の娘の萌花が花輪を作り、須賀に遊ぼうと誘います。須賀と一緒に帆高も萌花と遊ぼうと付いていきます。
残った夏美と陽菜は近くのベンチに座り、なにやら夏美のスマホを見ながら話している様子です。
……時は遡ること数日前。
夏美はスマホの動画機能で神主を撮影しながら、神主の話を聞いていました。
●日本には古来から天気の神様がおり、天気の神様と繋がりを持つ存在の巫女がいる。
●巫女は天と人間を繋ぐ存在で、異常な天気を修理する役目がある。
●天気を修理できても、それには相応の代償がある。
夏美は、公園で陽菜にこの時の神主の取材の動画を見せていたのです。巫女として悲しい運命を背負ってしまった陽菜。この時、彼女はどんな心境だったのでしょうか。彼女の心境は映画でははっきりと出ていませんでした。
巫女となった陽菜に異変が起こる
須賀の依頼の帰り道、須賀、萌花、夏美、凪の4人で食事に行くことになりました。土砂降りの雨の中、帆高は陽菜と二人で坂道を上り帰路を進みます。
帆高は陽菜へ渡すために買った誕生日プレゼントの指輪を渡すとともに、彼女へ告白をしようと意気込みます。
「陽菜さ…」
と、口を開けた瞬間にタイミングよく陽菜も帆高に話しかけ、二人の言葉が重なりました。
その瞬間、突然坂下から勢いよく風が吹き、陽菜が着ているピンク色のパーカーと黄色の傘を一気に吹き飛ばします。あまりの突風に目を瞑る帆高。目を開けると、側にいた陽菜が居なくなっています。
一緒に居た陽菜が一瞬にして消え、混乱して焦った帆高はあたりを見回すも、陽菜は居ない。すると、どこからか陽菜が帆高を呼ぶ声が。
声の方を見ると、なんと陽菜が空に浮かんでいました。陽菜も急に何が起こったのかわからない様子。徐々に地上に降りていき、完全に地面に足が着くとようやく陽菜の身体に異常があることがわかりました。
陽菜の身体が、所々透けていたのです。
陽菜の透けた身体を見て驚く帆高。陽菜は自分の身体の変化を見て、帆高に1年前の出来事を語り始めました。
帆高と陽菜が出会う1年前の出来事
「私が晴れ女になったのはね、1年前のあの日」と口火を切った陽菜。
「もう一度、お母さんと晴れた空の下で歩きたいと思ったの」
1年前、病床の母親の見舞いのために病院へ来ていた陽菜。陽菜はふと雨が降りしきる外を窓から見ると、雲の隙間から僅かに太陽の光が差し込んでいました。その光は、とある廃ビルの屋上にある鳥居に光が当たっていました。
陽菜は病院を抜け出し、雨が降りしきる中、光が射していた廃ビルの屋上へと向かいました。するとそこには、こじんまりとした小さな鳥居がありました。
陽菜は傘を置き、その鳥居にゆっくりと歩み寄り、鳥居をくぐる瞬間に両手を合わせて願ったのです。空を晴れにしてほしいと。
すると、大雨だった東京が瞬く間に真夏のじりじりとした日差しの射す空へ変わっていきました。
これがきっかけで空と繋がってしまい、晴れにする力を得たのだと語りました。
警察の追手がすぐそこまで
その日の夜、陽菜の家の風呂に入っていた帆高。風呂上りの時にピンポンとチャイムが鳴ります。陽菜が玄関のドアを開けると、男女の警察官二人が。
●帆高の両親から行方不明の連絡が来ており、最近ここらへんで行方不明の少年(帆高)が歩いているところを見かけたと近所の人たちから聞いたが、知らないか?
●保護者がおらず、未成年二人(陽菜と凪)暮らしのことを問題視している。明日、改めて保険相談所の者が来る。
ということを陽菜に伝えました。
すると、須賀が黒いキャップを深々とかぶり、メガネを付けて変装した状態で車で凪を家まで送ってきてくれました。
凪を家に居れ、入れ替えに帆高が須賀の車に乗り込むと、なぜそんな恰好をしているのか問います。
実は、須賀の家にもすでに警察の手が回っていたのです。警察が須賀の事務所まで来て、未成年誘拐として疑われていました。また、警察は帆高が銃を所持していた情報も掴んでおり、銃器不法所持の疑いがあるとのことで自分が追われている身であることを知ります。
須賀は、関わりたくないからもう事務所には来なくていいと良い、退職金として6万円を帆高に渡しました。
須賀の言葉に納得のいかない帆高に対し、須賀は
「もう大人になれよ、少年」
と、告げました。
帆高が陽菜のアパートに戻ると、陽菜と凪は荷造りをしていました。もうここには居られないから、この家を出ていくと…。陽菜は帆高に実家に帰るよう言います。自分の帰る家があるんだから、帆高は実家に戻った方が良いと。
「一緒に逃げよう」
そう帆高は陽菜に言い、陽菜と凪の三人で逃げることを決めました。
8月、寒空の下で逃げる三人
帆高、陽菜、凪の三人は、雨が降りしきる中レインコートを深くかぶって警察に見つからないよう顔を隠しながら街に出て宿を探し歩きます。この時の時間ははっきりとわかりませんが、恐らく21時は回っていたんじゃないかと思います。
大雨が降り続き、気温もどんどん下がり、8月なのに10度を下回っていました。
三人は、パトロールをしていた二人の警察に見つかります。「なんでこんな時間に出回ってるの?君たちいくつ?身分証明書は?」
帆高はとっさに身分証明書は家に忘れたことを言います。
そして、隙を見て陽菜の腕を引っ張り、ダッシュで警察から逃げていきます。が、数メートル先で警察に取り押さえられてしまいます。それを見た陽菜は咄嗟に天に祈り、落雷を起こしました。雷は道路に泊まっていたトラックに当たり、トラックが炎上。それを見た警察2人は黒い煙を出して炎上しているトラックの方へ犠牲者が出ていないか走って確認しに行きます。
騒ぎの隙に帆高たちは急いで逃げ、行きついた先は街のど真ん中にあるラブホテル。しかも1泊2万円という…。かなり痛い出費ですが、須賀からもらった退職金でなんとかこの日はここで泊まることになりました。
行きついた先で、束の間の楽しい時間
帆高たちは、ラブホテルの最上階の部屋でやっと休息できる場所に辿り着くことができ、安どのため息を吐きます。
まずは帆高と凪が風呂に入って疲れを取り、次に陽菜が入ることになりました。
三人はジェットバスを楽しんだり、部屋で販売されていたインスタント食品でお腹を満たしたりカラオケをしたり、束の間の楽しいひと時を過ごしました。
「神様、お願いです。これ以上僕たちに何も足さず、何も引かないでください。」
と、帆高は陽菜たちと過ごす楽しい時間の中、一人思うのでした。
夜は更けて24時を回り、8/22になります。この日は陽菜の誕生日。凪、陽菜、帆高の並びで入ったベッドの中で、帆高は3時間迷って買った指輪を陽菜へ渡します。
陽菜は「ありがとう」と嬉しそうに微笑みました。
「ねぇ、帆高はさ、この雨が止んでほしいと思う?」
と、陽菜が尋ねると
「うん」
何気なくそう返した帆高に対し、彼女は夏美から公園で教えてもらった天気と繋がりのある巫女の存在、人柱のことを全て伝えたのでした。
陽菜の悲しい運命に涙する帆高。陽菜は自分が着ているバスローブを脱ぎ、上半身を帆高に見せました。その身体は、もうすでに透明に。先ほどまで手足だけだったのが、すでに彼女の上半身までも透明になってしまったのです。
愕然とし、彼女が人柱となってしまうことに絶望する帆高。
「このまま私が死んじゃったらさ、きっと、いつもの夏が戻ってくるよ。凪をよろしくね。」
「嫌だ!」
そう叫ぶ帆高は指輪を陽菜の指にはめ、一緒に暮らそうと約束しました。
この時の帆高の絶望しきった表情が忘れられません。
ついに、人柱となってしまった陽菜
場面が切り替わり、陽菜はついに、空のずっとずっと上にある乱層雲の上に居ました。そこは広大な草原で、空はすっきりと晴れており、陽菜はぽつんと一人そこに居たのです。
陽菜の周りには、透明な小さな魚が無数に集まってきます。彼女の身体は徐々にその魚たちに囲まれてしまいます。
ここで、帆高が目を覚まします。帆高ははっとして陽菜の方を振り返るも彼女の姿は消えており、そこには陽菜が着ていたバスローブが抜け殻のようにそこにあるだけでした。
カーテンの隙間からは朝の眩しい光が差し込んでいました。この光が、彼女が人柱となったことを物語っていました。
すると突然ドアがノックされ、リーゼント(高井)刑事と安井刑事(おじいちゃん刑事)、他警官が部屋に乗り込んできて帆高と凪は取り押さえられました。帆高は連行され署まで、凪は児童相談所へ。帆高がホテルから出てきてパトカーに乗る直前、雲の無い晴れた空から何かが落ちてきました。
それは、帆高が陽菜の指にはめたはずの指輪でした。
帆高は、この指輪を見て彼女が人柱となってしまったことを悟ったのでした。
それでも陽菜を救いたい
パトカーの中で、帆高はリーゼント刑事から陽菜が15歳だということを聞かされます。彼女は年齢を偽った履歴書を出したため、アルバイトをクビになったそう。
「なんだよ…。俺が一番年上じゃねぇか…。」
それを知った帆高は、自分が一番年上だったのに彼女を守れなかったことへの苛立ちと悔しさを身に染みて感じました。
どこにもぶつけようのない悔しさを感じている様子に、リーゼント刑事は不思議そうに帆高を見ます。その後、署に着いた帆高でしたが、取調室に警官とリーゼント刑事、安井刑事の隙を見てダッシュで逃げます。
「陽菜を救いたい」、その一心で帆高は陽菜が晴れにする能力を持つきっかけとなった廃ビルの屋上へと駆け出しました。
必死に逃げるも、血の気の多いリーゼント刑事が疾走して追いかけてきます。
なんと、夏美が爽快に可愛いピンク色のカブに乗って「乗りな!」と、現れたのです!そしてスピードを上げて急発進!かっこいい~~!!そこら辺の男よりかっこいい~~!!
ドライビングテクニックかっこいい~~!!!「ゼロの執行人」の安室透のようなドライビングテクニック!後部座席に帆高を乗せたまま、階段の上から階段下へ着地ですからね。
しばらく進んだ先には、前日まで降っていた大雨の影響で溜まってしまった大きな水たまりへ突っ込んでいきますが、夏美のカブはここで限界。夏美は後部座席に乗せた帆高へ逃げるように促し、帆高は隣の有刺鉄線の乗り越え、電車の通る線路を夢中で駆け出しました。
やっと廃ビルへ辿り着いたものの、ものの見事にビルの半分が崩壊していました。踊り場、階段が完全に崩壊しており、鳥居のある屋上まで登れない状態に。
ならば非常階段で登ろうと翻すと、そこには須賀の姿が。
帆高は驚き、なぜ須賀がここに居るのか問うと、安井刑事が須賀に帆高が署から逃げ出したと聞き、ここまで追ってきたとのこと。須賀は帆高の腕を引っ張って警察へ連行しようとしますが、帆高は須賀の腕を噛んで離れようとします。
腕を噛まれた痛みで腹が立ったのか、須賀は腹を蹴って帆高は壁にぶつかり倒れます。
ふと、帆高は倒れた傍らに銃があることに気づきます。銃を須賀に向けて構えます。
すると、そこへ警官とリーゼント刑事、安井刑事たちが銃を構えながら帆高を捕まえるべく乗り込んできたのです。
「俺はただ、もう一度あの人に会いたいんだ!!」
そう言った帆高は銃を捨てて屋上へ向かいますが、リーゼント刑事に取り押さえられてしまいます。それを見た須賀は、リーゼント刑事へタックルして阻止しました。
きっと須賀は先ほど帆高に銃を向けられたことで、帆高が心の底から本気で陽菜を救いたいと思う気持ちを感じ取ったのでしょう。
「帆高、行け!」
しかし、今度は眼前に安井刑事が。すると、なんと凪が猛ダッシュで安井刑事にタックルして止めたのです!
時は遡り、ラブホテルで突入してきた警官たちに連行され、児童相談所の一室に送られた凪。
実はクラスの元カノのアヤネと今カノのカナに凪が児童相談所を脱走できるよう協力をしてもらっていたのです。カナがトイレに行きたいと凪を監視していた婦警を連れ出し、その隙にアヤネがつけていた黒髪ロングヘアーのカツラと自分の服、凪が着ていた服を交換しました。
つまり、凪がアヤネから服とカツラを貸してもらい、変装して児童相談所を脱出してここに来たのです。
凪は泣きじゃくった顔で
「帆高、全部お前のせいじゃねぇか!姉ちゃんを返せよ!!」
帆高は意を決したように凪に頷き、急いで非常階段へ行きます。そして、陽菜が天気と繋がったきっかけの、あの鳥居を潜りました。陽菜に会うことを願いながら。
陽菜と一緒居れれば、晴れなくたっていいさ
屋上の鳥居を潜ると、そこには見たことも無い景色が。
そこには、大きな乱層雲の上に広がる広大な草原。青く澄み渡った空。雲のずっとずっと上で、乱気流にさらされながらも浮いた状態で草原を見下ろした帆高は、草原の真ん中にポツンと横たわった陽菜の姿を見つけます。
「陽菜さん!」
彼女はすでに透明な小さい無数の魚たちに身体を蝕まれ、身体はほとんど透明な状態に。
手を伸ばしながら陽菜を助けようと呼ぶと、陽菜は声で目を覚まして帆高を見上げます。それまで彼女の身体を蝕んでいた透明な魚は驚いて一気に空へ逃げていきました。
「陽菜さん、陽菜さん!陽菜!」
必死で陽菜へ近づこうとしますが、激しい乱気流によって陽菜へ近づくことができません。
「もう二度と晴れなくたっていい。青空よりも、俺は陽菜がいい。天気なんて狂ったままでいいんだ!」
そう強く願った帆高は、ようやく陽菜の手を取り、手を繋いだまま二人で地上へ降りていきました。
このシーンは、まるで「千と千尋の神隠し」のラスト千尋とハクが手を繋いで空から落ちていくシーンに似ていますね。
画面が切り替わり、小雨が降る中、廃ビルの屋上の鳥居の下で手を繋ぎながら倒れている帆高と陽菜が。
その後、帆高は警察へ連行されましたが、家庭裁判所で保護観察処分が下され、島へ戻ることになりました。
時は流れて3年後…
帆高は18歳になり、東京の大学へ進学することに。東京へ上京するため、フェリーに乗っていきます。
新しい家で荷開きをしていた時、ふと3年前に陽菜と立ち上げたお天気ビジネスのサイトを覗いてみたら、2年前に1件の依頼があったのです。その依頼者は、立花冨美でした。
帆高は冨美のもとに尋ねると、以前の日本家屋ではなくアパートに移り住んでいました。
冨美はこう言いました。
「東京のあの辺はさ、元々は海だったんだよ。ほんの少し前、江戸時代くらいまではね。だからさ、結局元に戻っただけだわ、なんて思ったりもするね。」
帆高は冨美のアパートから出ると、次に須賀のもとへ訪れます。
須賀はマンションの一室へ場所を移し、社員を2人抱えるくらいまで会社を成長させました。
須賀は3年経っても娘の萌花と一緒に暮らすことはできなかったけれど、須賀の仕事次第で行く行くは一緒に暮らせる日もそう遠くないようです。
須賀は訪ねてきた帆高に、陽菜に会いに行けと言いますが、どうもモゴモゴとしてハッキリとしない様子。気まずいとかなんとか言っていました。須賀はそんな帆高の背中を押すように、
「まぁ気にすんなよ青年。世界なんてさ、どうせ元々狂ってんだから」
と、告げました。
そして帆高は、3年前の夏に陽菜と歩いたあの坂道を歩きます。陽菜に会いに。
ふと帆高が坂の上を見ると、紺のブレザーに赤いチェックのスカートを着用し、中に着たパーカーのフードを被っている女性が立っていました。その女性は街の方向を向き、目をつむりながら両手を組み合わせて何かを祈っているようでした。
彼女は間違いなく、陽菜だったのです。
「陽菜さん!」
日高は声高らかに響き、陽菜が振り返ります。成長した陽菜が、笑顔で帆高のところまで走って飛びつきました。
二人は3年ぶりの再会で抱き合い、帆高は心の中で
「陽菜さん、僕たちは、大丈夫だ」
と、そう思って物語は終わりました。
「のり塩巣ごもりチャーハン」が美味い
実は、作中で「お天気ビジネス」を提案しに陽菜の家に来た帆高に昼食として手作りチャーハンを振舞ったシーンがあるんです。
これが陽菜が作った「のり塩巣ごもりチャーハン」です!
めっちゃ美味しそうです!
料理動画サイト「クラシル」で、このチャーハンのレシピが載っているんです!
私は作中で二人が美味しそうにチャーハンを頬張っているのを見て、「クラシル」のレシピを見ながら作っちゃいました。
見た目はちょっとアレですが、美味しかったです!のり塩チップスのパリパリ感と、とろっとろの卵黄と混ざり合うほんのり醬油味の味がするチャーハンがめちゃ美味かったです!!
作中に出てきたチャーハンには入っていなかったんですが、物足りないので肉も入れたら激うま!!!
公式Twitterでも呟かれています^^
#陽菜ちゃんのチャーハン を皆さんも作ってみよう♪#夏休み #天気の子 #お天気ガール https://t.co/ArsZFIsww5
— 映画『天気の子』 (@tenkinoko_movie) July 23, 2019
【天気の子】の主題歌はRADWIMPS!MVもあり!
「君の名は。」の時と同じRADWIMPSが歌う「愛にできることはまだあるかい」です。
この「愛にできることはまだあるかい」がYouTubeで聞けるので、ぜひこの曲が気になった方は以下の動画で聴いてみてくださいね!
7/28時点で既に10,127,097 回万再生もされています!すごいですね…!
最後に
「天気の子」は本当に楽しかったし感動しました!
一番印象に残っているのは、
①帆高が自分の無力さを痛感してやりきれない悔しさを感じているところ
②晴れなくたっていいから陽菜が生きてさえくれればそれでいい。多くの人の幸せよりも、陽菜の命の方が大事だ!!
という帆高の強い気持ちを表す言葉や表情は本当に感動ものでした!!!
最初は弱気な少年かと思いましたが、好きな人のためにここまで…。
2018年に公開された「名探偵コナン ゼロの執行人」で、蘭のために全力で頭を振り絞って状況を打開しようと考えているコナンに対し、安室が「愛の力は偉大だな」と言っていましたが、なんというかこのセリフはこ時の帆高に合致するものがあるな~と思いました(笑)
最後の最後に、お互い成長した陽菜と帆高が再会できて本当に良かったです…!マジでありがとうございました新海監督!!!